ANREALAGE

“ROLL”がつくる形。
名和晃平×森永邦彦インタビュー

17年秋冬の最新コレクション「Roll」。彫刻家「名和晃平」と作り出す世界は、
ロール状の生地を削り出してつくる、まったく新しい手法での服作りをおこなった。
木が年輪を刻むように積み重っていく形と時間。その背景を探った。

MOVIE

ANREALAGE 2017-18 A/W COLLECTION

‘ROLL’

服の年輪。

時間を重ね、
記憶を宿す。

廻り続けた証を
削り出す。

テーマは「ROLL」
洋服のはじまりである布のロールに着目した。

通常の服づくりのように、布のロールから引っ張り出された平面の布を裁断して洋服を形づくるのではなく、布を立体のロール状態のまま、先端にドリルを装着したロボットアームで3次元切削し、彫刻のように洋服の形を削りだした。

彫刻的な造形は、彫刻家・名和晃平|SANDWICHとの協業。
3Dの技術を取り入れながら、ロボットアームテクノロジーを駆使し、彫刻と洋服の融合に挑んだ。

今回切削したのは、デニム生地のロール。
300メートルものデニム生地のロールから、1着を削り出している。

ロールを切削することでできる重層的なテクスチャーはまるで木の年輪のように見える。年輪が示す、歳月の重なりや、記憶の痕跡を彷彿させる表情を洋服が持つに至った。

年輪は廻り続けた証。

廻り続けるファッションの姿を年輪に准え、その真髄を削り出すことを試みた。

INTERVIEW名和晃平 x 森永邦彦

森永布を巻いたロールという物がすべての洋服の始まりだと思っていて、木の年輪に近いと思っていて、木を削るように、削ってみたりとか、木の立体自体を制作するという行為がすごく彫刻的なものだと思ったので 3Dデータを作ってそれに忠実にロボットアームが形を作るということを試みました。ドリルをその手の先端に付けて360°縦横無尽に布を削るということをやりました。

僕の方でそのテイストのテーマとどういうことがやりたいっていうのと洋服としてはこういうことをやりますっていうのを話して、どういう造形がいいかっていうのは名和さんの美意識に委ねて初めました。ロボットアームで造形を作って一回そこで完成するのかなと思ったんですけれども、その表面のテクスチャを全部やっぱり削ろう、で、もっとその形をシャープに出してそこに、その年輪的な表情というのを生んでいきたいと思って。

名和まぁこのロールを固めて削り出すっていうのは、理論的には彫刻、普段作っている彫刻と同じように削り出して作れるかと思ってたんですけど、やっぱり実際あの固めて見たものは完全に硬いものじゃなくてある程度やっぱりデニムの柔らかさがあったんでそれがすごい手強かったですね。木を削っているような感じに近いんですけど、それよりも繊維が強いというか強靭ですね。

森永今までそのパッチワークで横に細かく布を削るということをやっていたんですけれども、とてつもなくそれを重ねて、その部分から掘り出していくことで、本当に 1mmくらいの重なりが連鎖しているような質感になっているので、これが布でできているということが、自分でも見るまで信じられないくらいの質感になりましたね。 洋服(笑)機能性はないですし、値段とかも想像つかないくらいですけれども、ただそれを人が着て、あぁなんか美しいと思うことですごくファッションだと思っていて。

名和どっちかというとやっぱりすごい商業の世界。やっぱり普遍的な価値を創造したり表現を目指す場合に、周辺サイクルに追い回されて作ってしまうと残らないと思うんですよね。だから、その中においても残るものを目指すべきかなと思います。

森永僕あの洋服を初めて見たときに、ほんとどこの時代のものなのか、どこの惑星のものなのか、なんかわからないくらい、すごい物体が存在していると思って。

名和やっぱり前から何か一緒にできることはたくさんあるなと感じてたので、それが今回、このタイミングでやってきたという。

森永今この時代にあれを作るっていうのは、すごく、自分にとって大きいです。

名和共同の第一歩だと思っています。

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